バックナンバー 2024年夏号

2025.03.21｜ニューズレター

バックナンバー 2024年夏号

　　仮免式を迎えて

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　スタッフ　葛西　光弥

令和元年11月13日に名古屋ダルクに繋がりました。繋がったものの私は薬を手放すことを諦めていました。『もう自分の人生は終わっているから、今さら薬を辞めても仕方がない』『だから早く逃げて刑務所で仲良くなった人たちと薬を使おう』そんなことばかり考えていました。逃げるつもりで５万円というお金を隠し持ってもいました。そんな自分ですから、仲間とのトラブルも多かったです。しかし仲間との関わりの中で、自分の問題がどんどん浮き彫りになっていき、自分が苦しさを誤魔化すために薬を使っていたことにも気付かされました。

ミーティングの中で初めて本当に自分が苦しかったことを話した時には、涙があふれ出て止まりませんでした。

そうやって自分の問題と一つ一つ向き合い、行動を変えていきました。気が付けばスタッフになり、４年６ヶ月という月日が経ちました。スタッフになれた事は自分でも驚きです。

そしてついに令和６年４月２７日に仮免式を無事終えました。

仮免式とは、名古屋ダルクでの卒業式のようなものです。

依存症からの卒業はない！

との事から、仮免式という名前になりました。正直、自分の仮免式のことは忘れていました。それぐらいこの場所にいるのが当たり前になっている自分がいます。振り返るといろいろな思い出があり、仲間を殴ったこともあれば、殴られたこともあり、楽しかったこと、苦しかったこと、嬉しかったこと、寂しかったこと…いろんなことがあったなぁと思います。

その中で何一つ無駄なことはなく、与えられた全てのことが今の自分の糧になり、回復の礎になっていると感じています。これからもたくさんのことが与えられるでしょう。受け入れられない事もあると思います。しかしこの場所に留まり続ける限り、何が起ころうとも前に進んでいけると信じています。ありがとうございました。

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