名古屋ダルクは全国で二番目のDARCとして平成元年に名古屋市北区に開設され、依存症や乱用、問題行動の相談、薬物乱用防止指導、依存症からの脱却に必要な知識やテクニックの教育指導、啓発などを行っています。一般的にDARCの指導員は当事者、いわゆる”依存症回復者スタッフ”ですが、自己体験に基づく為、教育できる範囲が狭いのが悩みでした。
名古屋DARCはお陰様で30年目を迎えました。老舗のDARCとして新しい試みを取り入れています。ワンネスグループと提携し、国際水準の依存症回復支援サービスを目指し提供していきたいと考えています。現在、米国アディクション認定カウンセラーとICCE(国債アディクション専門職認定教育センター)認定リカバリーコーチなどアディクション支援の有資格者たちが勤務しており、相談や教育、カウンセリングを行っています。
「治療共同体メソッド」に基づいた効果のある施設生活
治療共同体とは、人間の行動様式を改善する事を目的とする共同体です。 責任を伴った共同生活という環境の中で体系化された依存症回復の根幹となる手法。回復を目指す方がともに規則正しく健康的に共同生活を送り、段階が進んだ人が、新しく入った方を仲間として導きサポートします。
![]() RDはアルコールや他のアディクション(依存症)の人々を回復へと促す施設用に作られたカリキュラムです。 アルコール依存症の自助グループの基本テキスト『アルコホーリクス・アノニマス』(通称ビッグブック)を用います。 しかし、ビックブックは一読してもなかなか理解することが難しいかもしれません。 RDでは、28回に分けて書かれている内容を丁寧にわかりやすく説明します。 RDはすべての依存症を対象にしており、その治療に大きな成果を上げています。 そして、そのプロセスにおいて3つのゴールを設定し、12ステップを部分的にではなく、 1つの連続したプログラムのパッケージとして提供しています。 |
![]() 認知行動療法を取り入れた愛知県精神保健福祉センターが作成したワークブック「AIMARPP あいまーぷ」を使用し、集団で行うプログラムです。プログラムはワークブックを読み合わせ、今までの自分自身の行動や考え方を振りかえったり、参加者同士で意見を出し合ったりするなど、グループで取組み学びを深めます。「薬物はどのような時に使いたくなるのか」、「誘惑をどう避けたらよいのか」等を話しやすい雰囲気の中で、再使用のきっかけとなる事柄から離れる具体的な方法を探し、回復に向けて一緒に考えていきます。 |
![]() 依存症に陥ることで心身ともに蝕まれていき、依存行為がなければ楽しめなくなります。運動やレクレーションなど体を動かすことで心が満たされる経験をし、依存行為をせずに楽しむことを学びます。 |
![]() 依存症になった人たちはネガティブな感情をないものとして抑圧してきた結果、依存行為となって表出することがあります。だからこそ「感情を正確に受け止め、評価し、そして表現する能力」を身につけることが必要です。そのためにエンカウンターグループを行います。グループで、自らが抱える問題を話し、参加者が質問します。自分の言葉で語り、問題を明確にし、向き合い仲間の意見を参考にすることで、感情を理解し表現する力を養います。 |
![]() (グループセラピー) 回復のプログラムに取り組んでいる人たちがお互いに希望・経験・力と回復を分かち合い、仲間の話を聞き、自分の話をすることによって問題に向き合い薬を使わないで生きる方法を学びます。安心・安全を守るためここで話されたことは外部には口外いたしません。 |
![]() 散歩やジョギング、ベンチプレスなどで運動することで健康な体づくりを行います。 |
![]() アメリカでつくられ、世界中で数多くの回復者を輩出している自助グループです。 |
![]() 刑務所、病院、学校へメッセージを届けます。 |
![]() 教会ボランティア作業 レクリエーション 回復イベント参加 研修など |
![]() カウンセリングを通し、薬物やアルコールを使ってしまった否定的な混乱から自分の感情や健全な思考に気づいていきます。感情にふたをし、それにも気づかない幼少期からの親子関係にも焦点を当て紐解いていきます。そして自分と向き合い、自分を取り戻しながら、過去、現在の問題を自身が解決して行く肯定的思考と行動ができるよう傾聴していきます。 |
![]() 「回復の道」テキストを使い、過去のアディクション、感情を振り返ります。そして再使用を避けるための外的、内的な引き金を特定していき、依存行為をしない生活を身につけていきます。また12ステッププログラムの無力を認める、自分なりに理解した神を信じ、決心するまでの理解を深めていきます。集団療法でのお互いの自己の振り返り、共感、気づきを得て、今自分がどう感じて考えるかということを認めていく作業をします。 |
![]() 依存症、共依存、健全な家族関係の正しい知識、またコミュニケーション、アサーション、ストレスマネージメント、アンガーマネジメントなどのソーシャルスキルも身につけていきます。そして自分と繋がる、本当の自分を知るためのさまざまなワークを行います。依存症の人は感じることが苦手です。体で感じる、心で感じることに焦点を当て、体を動かす、言葉で表す、絵を描くなど自己表現をし、心の奥にしまってあった自分を開示し自己認知していきます。 |
名古屋ダルクでのある1日
9時~ | デイケア掃除 |
9時半~ | モーニングギャザリング(朝の集会) |
10時半~ | 午前のプログラム |
12時半~ | 昼食・休憩時間 |
13時半~ | 午後のプログラム |
15時~ | 休憩・自主プログラム |
16時~ | イブニングギャザリング(夕方の集会) |
19時~ | 自助グループ参加 |