2025.05.07|ニューズレター

バックナンバー 2025年 春号

家族会に参加して K さん

 昨年の9月、私たちの子どもが薬物依存であることが分かりました。
その時のショックは今でも忘れられません。「なんとか相手を変えな
ければ。」「どうにかして世間体を保たなければ。」「正しい道に戻すために、自分ができるこ
とは何か?」・・・等々。楽しみにしていた夫婦の旅行の計画もキャンセルし、毎日心配ばかり
の日を送っていました。
 そんなとき、ダルクに相談したことがきっかけで、河合先生のカウンセリングと家族会に参加
することになりました。家族会では、自分の心配なことや気になることをミーティングで皆さん
の前で話します。私たちの様に悩んでいる人たちが他にもいるということを知ることはとても安
心できました。誰にも話せないことを人に話せるのも嬉しい経験でした。
 しかし、家族会を数回経験するうちに、大切なことは相手を変えることではなく、自分自身を
変えることだと思うようになりました。「いやいや、私は立派に仕事もして、人様にも迷惑を掛
けず生きています。何か変えるところなんてあるんですか?」今までそう思ってきたことが間違
いでした。その傲慢さがどれだけ子どもを傷つけたか、今更気付いたのでした。
自分自身を振り返り、傲慢な物言いを改め、子どもとフラットな関係で話をする。相手の人生
は相手の人生。それがどんな結果になろうと、その結果こそが子どもを成長させるきっかけにな
ると考え、先回りをしない。相手の問題は相手に渡す。相手が失敗することこそ相手の学習の良
い機会だととらえ、失敗すると予想できても決して手出しをしない。信頼を持って見守る。愛情
をもって手放すことの大切さを学びました。
そして同時に、相手の人生ではなく、自分が自分の人生をしっかり歩むことの大切さにも気付
かされました。当事者の方も参加されていて、「家族の方が楽しく生きていてくれた方がよい」
という言葉も私たちを後押ししてくれました。自分自身をしっかり生きよう。楽しく毎日を大切
に生きて幸せになろう。「幸せになっていい」そう思うようになりました。
昨年の9月、私たちは闇の中にいました。心配と焦りと不安の真っただ中にいました。しか
し、今家族会に数回参加する中でものの見方が180度変わりました。心配や不安がなくなった
わけではありませんが、それはそれで「人生できっと必要な物」とどっしり受け入れることがで
きるようになったのです。そして、何があっても子どもの人生に手出しはしないけど、愛情をも
って見守り続けようという決意ができました。
今、私たち夫婦は、来年の退職を機に、四国にお遍路さんに行くことをとても楽しみにしてい
ます。そのために、一日一万歩は歩いたり、図書館で本を借りたり、軽い服をそろえたり、荷物
を考えたり、地図を用意したり、と楽しい準備の日々を送っています。
 もし、今身近な人のことで悩んで見える方がいらっしゃったら、ぜひ家族会に参加し、私ども
のように「楽」になっていただきたいと切に願っております。

 

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